2018年09月19日任意売却後の生活とは?(任意整理、個人再生、自己破産の選択)
任意売却後に気になるのが、残ってしまう借金です。よくある誤解として、任意売却をすれば借金が0円になると思われている方がいらっしゃいます。残念ながら、任意売却をしても残債の支払いは免除されません。住宅の売却価格よりも住宅ローンの残債務の方が多ければ、当然ですが債務は残ります。
では、任意売却した後の生活はどうなるのでしょうか?2つのパターンが考えられます。
アンダーローンの場合
アンダーローンとは、残債務額よりも売却代金が多い場合を言います。
借金は当然完済でき、余剰金があれば新生活のために使用することも可能です。
この場合は、特に問題がないはずです。しかし、多くの場合、次のオーバーローンの状態になります。
オーバーローンによって残ってしまった債務
オーバーローンによって残ってしまった借金は、債権者に返済しなければなりません。しかし、住宅ローンの返済が困難となり、任意売却に至っているので、残った借金の返済を一括で払える方はほとんどいません。そこは債権者も承知しておりますが、債権者との話し合いが不調に終わった場合、「給料の差押え」をされてしまう場合もございます。
その一方、債務者の無理のない範囲で返済を行えるよう、毎月の分割払いや、債務の減額に応じてくれる場合もあります。債権者としては、出来る限り満額で回収したいと考えていますが、返済が確実ではない債権を手間と時間をかけて、いつまでも追いかけてはいられないといった事情からです。そのため、債務者の資産や生活状況、返済能力を考慮し、債権回収が現実的に可能な方法、金額で折り合いをつけるといった判断をされる場合もございます。
任意売却後、オーバーローンになってしまう場合には、ご自身の判断だけで、債務整理するのはなかなか難しいのが現状です。返済の為の交渉や分割案の提案、場合によっては自己破産を視野に入れなければなりません。
そのため、ベストな方法にて債務整理を行うためには、法律の専門家や、任意売却専門の不動産会社などに相談するのが望ましいです。法律の専門家に依頼する債務整理の種類としては、次の3つがあり一番下の自己破産が最終的な債務整理の方法です。
①任意整理
住宅ローンの残債が200万円程度の場合
毎月無理がない範囲内で残債務の支払いされる方もいらっしゃいます。
③自己破産
住宅ローンの残債が500万円以上の場合
個人再生又は自己破産を選択されて、借金をゼロにする方法を取る方が多いです。
それぞれの状況によってそのボーダー金額は異なってきますが、任意売却後も出費(家賃や子供の教育資金など)が多いという場合は、自己破産を選択する傾向にあります。
残債を整理する方法「任意整理」
任意整理は、債権者と交渉をすることで将来利息をカットできる可能性があります。借金の総額が100万円~200万円程度の場合、任意整理をしてしまった方がいいでしょう。
裁判所を利用しない私的な和解交渉であり、官報などに名前が載りません。任意整理のひとつの方法として任意売却は存在しています。
原則として、債権者と話し合うのは弁護士です。司法書士も任意整理の交渉をすることができるのですが借金の総額が140万円以上の場合、司法書士はその案件の交渉をすることができません。任意売却の場合140万円以上の残債が予想されますので司法書士では取り扱うことはできないでしょう。
この方法を利用しても、借金の元本を減額することはできず、あくまでも利息のカットがメインとなります。利息がカットされますので返済をすればするほど、残債は減額されます。
残債を整理する方法「個人再生」
個人再生は、裁判所に申立てることでできる債務整理の方法です。
個人再生は定職に就いていて安定した収入がある方が対象です。会社員で働いている方の多くは該当します。個人再生のメリットは借金が5分の1に大幅に減額できることです。
例えば、住宅ローンの残債が3,000万円あり、2,500万円で任意売却ができた場合、残りの借金は500万円になりますが、個人再生で100万円まで減額できるようになります。
原則、100万円を3年で支払いますので、100万円÷36ヶ月≒28,000円(月額)、この金額なら払える方も多いのではないでしょうか?3年間払えば借金が無くなるのです。自己破産と比べてメリットが大きいと思います。
自己破産より効果が弱く、任意整理よりも効果が強い債務整理の方法であるといえるでしょう。
自己破産のように借金が全額免除になるわけではなく、3年間をかけて残債を返済していきます。
残債を整理する方法「自己破産」
自己破産は裁判所に申し立てて行う債務整理の方法です。
住宅という不動産、つまり財産はすでに任意売却にて処分されています。そのため、裁判所へ納める予納金が少なく、破産者としての期間が短い自己破産の手続きである「同時廃止事件」を利用することができます。
自己破産は債務整理の中でもっとも効果が強く、非免責債権、つまり税金などを除きすべての借金が帳消しになります。もちろん、住宅ローンの残債も0円になります。
ただし、自己破産を利用する場合、20万円以上の財産があると「管財事件」もしくは「少額管財事件」となります。
この場合、20万円以上の財産は換価処分の対象となるのです。たとえば、20万円以上の価値のある自動車、解約返戻金が20万円以上ある保険、20万円以上の預貯金はすべて没収されてしまいます。また、99万円以上の現金がある場合も管財事件、少額管財事件になり99万円以上を超える現金は没収されてしまいます。
早い段階で任意売却の決断を!
なかなか住み慣れた家を売却するというのは心苦しいこともあると思いますが、住宅ローン等の借金が膨らむ前に、まずはご相談下さい。
競売になってからですと任意売却ができる時間も狭まり、任意売却ができるチャンスが失ってしまう場合もございます。
明誠商事では、実際の任意売却手続きだけでなく売却後の引っ越し先の提案や引っ越し費用などの交渉を最後までトータルにサポートさせて頂いております。任意売却後に残ってしまった住宅ローンも、債務整理が必要であれば優秀な弁護士を紹介します。これらは明誠商事が長年に渡って任意売却を成功させ、弁護士との信頼関係を築いたからこそ成せる事であり、一般の不動産会社ではそこまで任意売却の経験や弁護士との連携がないので難しいのが実情です。このように、実際の手続きや交渉、依頼者へのアフターケアなど専門性を活かした様々な対応が可能です。
できるだけ早い段階で任意売却の決断をされた方が、任意売却後の生活に関し、時間もお金もゆとりができますので、まずはご相談ください。